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会見する高校生(2023年12月4日、東京・霞ヶ関の文部科学省)
私立品川翔英高校の「ドレスコード」問題をめぐり品川翔英高校の生徒2名が昨年8月、東京弁護士会に人権救済を申し立てました。12月4日、生徒らの代理人弁護士らが会見を開き、明らかにしました。
同校は学校説明会などで校則がなく自由な校風であることを強調していたにもかかわらず、突然「ドレスコード」を制定。生徒の髪型・服装・装飾品を規制しました。

ドレスコード制定後、毎朝校門前で教員による違反者に対する執拗な「指導」が行われ、教員に無理やりピアスを外された生徒が怪我した事例もあったということです。また、授業中や試験中にも「(指定外品)を外さなければ授業を始めない」「ピアスを外さないと回答用紙を渡さない」など、さらには、指導に従わない限り大学進学のための推薦を出さないと生徒を脅す「指導」が行われています。

これまでにも生徒会長を中心に「ドレスコード」の撤廃を求める動きが起きましたが、学校側は生徒の声を無視し続け、現在まで対話は十分に行われていません。

退学相次ぐ
こうした学校の状況に嫌気がさした生徒の退学が相次ぎ、「多くの退学者が出ている」(保護者)もようで、入学から僅か数か月でドレスコード違反を理由に退学を迫られた生徒もいるということです。高校生の人生設計を無視した学校運営に生徒や保護者から憤りの声が上がっています。

その他問題点も明らかに
また、ドレスコード問題以外にも、品川翔英高校の問題点が明らかになりました。

生徒会長解任問題
昨年6月、同校生徒会長が学校側に近い生徒により生徒総会で吊し上げられ、解任させられた問題をめぐり、新たな事実が判明しました。
当初は不信任理由を話す時間は無制限に設けられており、生徒会長による弁明は一切認められていませんでした。複数の生徒や保護者の訴えにより、生徒会長が弁明することを認められましたが、発言する機会は1回しか与えられませんでした。しかし、生徒会役員等の生徒による発言はその前後に複数回なされました。また、生徒会担当者は「不信任される人に言う必要はない」として会長に無断で企画を進めていました。
生徒の陳述書によると、副会長は、得票数が過半数を超えたことを理由に投票を打ち切り、不信任決議の成立を宣言しました。また、一般生徒は教室の画面でしか不信任決議の様子を見ることができず、意見を述べることができたのは不信任決議の場に集められた部活動の部長や委員会の委員長だけだったといいます。

防犯カメラの設置
同校では教室や廊下、講堂など、校内のあらゆる場所に音声付の防犯カメラが設置されており、生徒のプライバシーが侵害されています。現在は撤去されていますが、一時期は更衣室にも防犯カメラが設置されていたといいます。
また、「生徒会長解任のいじめまがいな手続きを問題視した生徒が密かにその様子を撮影したところ、後日特定され、退学処分を警告された」「校長補佐が図書室内にいるタイミングにもかかわらず、他の教室について『お菓子を食べていてゴミが散らかっているから掃除して』と他の教員に指示を出していたことがある」という証言もあり、生徒および来校者は常時教職員の監視下におかれているものと推測されます。
学校は防犯カメラの設置理由を、令和4年6月に発生した盗難事件の対策と説明していますが、学校側は警察に被害届を提出せず、現在も盗難の犯人は判明していません。

教職員の退職
生徒の退学だけでなく、教職員の退職も相次いでいます。令和5年度4月から9月までに約10名の教員がすでに退職しています。引継ぎも十分なされておらず、生徒が新任教員に対し授業の進捗や評価方法を教えている現状です。ある科目を担当する教員が3人連続で年度途中に退職し、交代するという事態もあったとのことです。

突然の成績評価変更
定期テストのない同校は、単元テストが7割、授業内の発表などのルーブリック評価が3割という割合で成績評価がつけられていました。しかし、令和5年度より、突如として全国模試の成績が5割、テストおよびルーブリックが5割という割合に変更になりました。本件が発表されたのは令和5年度の始業式であり、事前に生徒に対し説明することはありませんでした。
以前、同校は学校説明会で、現高校2年生・3年生に対し、単元テストによるスモールステップでの学びができることをアピールしていました。全国模試を成績に反映することは、スモールステップの学びに期待した高校2年生・3年生を裏切る行為でしかありません。
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