渋谷区の澤田伸副区長が女性区議を「ブタ」などと誹謗中傷し、辞職したことが話題となっています。この騒動の背景に小学校を巻き込む違法な再開発計画の存在が浮かび上がってきました。

photo_6249300943690644182_y
澤田氏の投稿(立憲国民渋谷議員団提供)
澤田副区長は今年6月16日、区幹部約120人が閲覧できる「Teams」のチャット上で「立憲国民渋谷議員団」会派の桑水流弓紀子区議を「桑ブタ」と中傷。さらに非公開の桑水流区議の居住マンション名を明かし、「早めに封じておかないとね!」と投稿しました。また澤田氏は今年7月にも区議会の区民環境委員会の議員らを「バカの集まり」と投稿し、区議らを揶揄しました。

桑水流区議は渋谷区役所に隣接するマンション「渋谷ホームズ」と渋谷区立神南小学校の再開発計画の問題点を追及してきました。澤田氏の投稿の背景にはこの計画への反対運動の激化に対する焦りがあるものとみられます。

「渋谷ホームズ」再開発 何が問題か
さてこの再開発計画の何が問題なのでしょうか。まとめてみました。

高さ150mに超高層化する「ホームズ」 神南小学校に迫り来る違法なタワーマンション
色付け
建て替え後の渋谷ホームズ及び神南小の模型
計画では、神南小学校と区道を挟んで隣接するマンション「渋谷ホームズ」が高さ150m・34階建てに建て替えられます。

現在、「ホームズ」と神南小学校はそれぞれ指定容積率は500%とされていますが、計画では神南小の建て替え費用を「ホームズ」に負担させる代わりに余剰容積率91%を「ホームズ」に移転。特例制度を活用して1000%まで容積率の上限を緩和。さらに神南小学校・区役所と「ホームズ」を隔てる区道を廃道し、その敷地を区から「ホームズ」に譲渡することで「ホームズ」再開発棟は敷地面積も拡大し、建物が神南小に約6m近づきます。
色付け5
校庭から渋谷ホームズを見上げたイメージ(模型)
こどもたちが過ごす校庭から「ホームズ」を見上げた場合、上の画像のようになります。こどもたちは物凄い心理的な圧迫感を感じながら学校生活を送ることになります。

また、「ホームズ」はバルコニーが各面にあり、もちろん神南小に隣接する面もバルコニー設置が計画されています。「ホームズ」のバルコニーから神南小を覗き見ることは容易で、こどもたちのプライバシーが脅かされる懸念があります。

落下物直撃防げない⁉違法な設計
スクリーンショット 2023-07-20 132933

記事用イメージ

㊤再開発棟イメージパース(公園通り西地区再開発事業内部資料より引用
㊦落下物防止策のイメージ(本紙作成)
次に、落下物の問題が懸念されます。バルコニーのある超高層マンションは法令上、低層階の面積を広くしたり、建物の周りに植樹帯を設けるなど、落下物が直撃するリスクの高い範囲を人が通行できないようにしなければなりません。しかし、公園通り西地区再開発準備組合の資料によると、歩道の外側に植樹帯が設けられており、本来あるべき姿と逆になっており、違法な設計です。これでは落下物が当たるリスクの高いところを人が通ることになり、とても危険です。

区役所の前の区道が廃道!?
image_2023-08-20_12-42-13

また、計画では区役所のメインエントランスの前の区道が廃道にされてしまいます。区役所のメインの入口の前に車が止められなくなってしまうため、お年寄りや体が不自由な人が区役所に行きづらくなってしまいます。裏口から入るとしても、裏口の前の道路はスクールゾーンです。子どもたちが登下校する時間帯は通行止めになってしまい、車を停めることができません。
渋谷ホームズの建て替えは、第一種市街地再開発事業という扱いです。第一種市街地再開発事業は公共施設の整備が要件ですが、公共施設である区道をホームズの建て替えのために廃止するのは法律に反する違法行為です。

区有地の価値が下がる 区民の財産がドブに捨てられる!?
鑑定評価書(230919)
住民団体が試算した「渋谷ホームズ」と区側の土地の評価額の変化
更に建て替え計画では、「渋谷ホームズ」側が神南小の建て替え費用を負担する代わりに、神南小の余剰容積を「渋谷ホームズ」に移すことになっています。神南小の建て替え費用が約91億なのに対し、「渋谷ホームズ」の開発利益は約800億で約8倍以上もの差があります(住民団体試算)。区道廃止と神南小の容積率移転により「渋谷ホームズ」側の土地の評価額は434億円高くなる一方で、神南小の土地の評価額は101億円、区役所と渋谷公会堂の評価額は42億円それぞれ評価額が下がります(同)=画像=。

「渋谷ホームズ」は儲かりますが、区側は儲かりません。区の資産の毀損は区民の財産の毀損です。区民の財産を守るべき渋谷区役所が自ら「渋谷ホームズ」側に利益供与するのはまさに背任と言わざるを得ません。

思惑買い進む渋谷ホームズ
売買業者リスト
渋谷ホームズを売買した企業のリスト(一部)
「渋谷ホームズ」は築50年かつ「地震で倒壊の危険がある」中古マンションです。しかし再開発計画が持ち上がり始めたころから購入が相次ぎ、価格が高騰しています。それもそのはず、「渋谷ホームズ」再開発棟は小学校の容積を食い、区道を食い、縦にも横にも大きくなるのですから。都市計画決定後に売り抜ければ多大な利益を得ることができます。

実際、「渋谷ホームズ」区分所有者らは区の都市計画決定後、自らの利益を最大化するためにデベロッパー側に更なる要求を突きつける構えを示していて、神南小の建て替え工事が2026年度に開始できるのか見通しは不透明です。神南小はすでに「渋谷ホームズ」側の合意形成の遅れで建て替え計画が遅延しています。設備も著しく老朽化している神南小の建て替えは待ったなしです。にもかかわらず、金もうけをしたい一部の人間に振り回させていいのでしょうか。

批判する区議への口封じ指示した前副区長 絶対に許すな!
photo_6249300943690644182_y
澤田伸前副区長による口封じを教唆する投稿(一部加工)
さてここまでご覧になった皆さんお分かりの通り、渋谷区が進める渋谷ホームズ再開発計画は違法で、危険で、区民の利益になりません。区民の側に立つ区議の皆さんの活躍で暴かれつつあります。澤田前副区長の投稿は、計画がストップすることへの恐れから行われたものでしょう。しかし、澤田前副区長の投稿は、批判した区議の口を封じろとド直球で言っています。もはや不適切な投稿では済まされない恐ろしい投稿です。絶対に許してはいけません。

日本自治委員会情報局©2023
無断複製・転載禁止
このエントリーをはてなブックマークに追加