品川翔英高校(柴田哲彦校長、学校法人小野学園)が生徒の服装・頭髪に制限を課す「ドレスコード」を制定し、生徒や保護者から反対の声が上がっています。

同校はこれまで校則がなく、生徒に対しても「校則がなく自主性を大切にする」「指定品のカバンやコートは任意。必要に応じて変えてもいい」と説明していました。しかし3月の入学者説明会で事実上服装や頭髪などを制限・禁止する「ドレスコード」を発表し、生徒の服装や頭髪への規制を強化する方針を打ち出しました。

ドレスコードでは、▽制服は学校指定品以外の使用禁止、▽頭髪の染髪や加工の禁止、▽装飾品の禁止などを規定。同校は4月8日の始業式後、さっそく違反者の摘発を開始し、髪の染め直しや指定品の使用を「指導」。教員が生徒のピアスを強制的に外させる暴力的「指導」も行われたほか、一部生徒は地毛証明書の提出を求められました。

教員が「私立には裁量権がある」 生徒会選に干渉
生徒会関係者によりますと、教員は「私立は裁量権があるから子どもの権利条約やこども基本法、憲法などを守らなくて良い」などと発言し、生徒への人権侵害を公然と正当化しました。

これまで同校では生徒会長を中心に学校側への数々の改善要望が行われ、生徒会選挙でもドレスコード撤廃を主張する候補者が立候補していました。しかし同校は候補者に「ドレスコード撤廃」を主張する政見動画などの削除を強要。生徒の声を全く聴かずGW明けの8日にも再度指導を強行しました。

校民防衛隊が出動 生徒から賛同の声多く
関係者からの相談を受け、日本自治委員会は8日の午後、校民防衛隊を派遣。生徒たちからは「私もそう思う」「これほしかったやつ」などと賛同の声が上がっているほか、LINEグループなどでも啓発材が拡散されるなど生徒たちから賛意が寄せられています。

一方、同校教育支援室・三本正行室長ら教職員や守衛が、生徒から啓発材を回収したり、校民防衛隊員に立ちふさがるなどして校民防衛隊の活動を妨害し、生徒たちの「知る権利」を侵害しました。

全国的「校則見直し」に逆行する品川翔英
児童・生徒の人権を踏みにじる「ブラック校則」をめぐっては、国や各地の自治体、学校で積極的な見直し機運が高まっています。文部科学省は2021年6月、日本自治委員会系メディアの追及を受け、行き過ぎた校則の積極的な見直しを促す通知を発出。さらに昨年12月には生徒指導のハンドブック「生徒指導提要」を12年ぶりに大幅改訂し、「児童の権利への理解」や校則見直し過程への児童生徒の参加に関する記述を盛り込みました。埼玉県教育委員会は2021年9月、ツーブロックなどの髪型を禁止したり、下着の色や柄を指定する校則や、地毛証明書を届出させるような校則を「児童生徒の人格と個性を尊重する観点」と「社会通念上その是非が問われている」として積極的な見直しを通知しています。

しかし品川翔英高校では「ドレスコード」で髪型や服装の制限を定め、地毛証明書の提出を求めるありさま。さらに生徒会の要望を無視したり、生徒会選挙の立候補者の主張を検閲する選挙干渉までやっているのです。こうした品川翔英高校の生徒指導は全国的な機運に逆行するもので、児童生徒の人権を無視した教育テロだと言わざるを得ません。

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