
石田秀男・品川区議(9日、武蔵小山駅前=丸谷希唯撮影)
品川区長選への立候補の意向を示している石田秀男・品川区議は、9月10日、日本自治委員会の政策要求に回答し、▽給食の無償化と▽子どもの権利条約についての学習機会確保に応じる考えを示しました。
石田氏は、子どもたち自身が「子どもの権利条約」についての認識を深める学習や同条約への大人の理解の必要性と指摘し、こうした取り組みの充実を図る考えを示した一方で、校則について、「学校の実態を踏まえ、児童・生徒や保護者・地域の声も聞きつつ適宜見直しを図り、全体の理解を深めていくことが大切」との回答にとどめました。
また、いじめ対策については、既存の区条例に基づき対応する考えを示し、日本自治委員会が求めた寝屋川市方式のいじめ対策は導入しない模様です。
さらに、感染症流行時のオンライン双方向授業については、「学校に登校しての教育活動を極力止めないことが一番大事だ」と「対面授業重視」を強調。やむを得ない場合にのみ行う考えです。
日本自治委員会の上原瑞貴副議長は、石田氏の回答を受け、9月12日、「具体的政策の実現を求めている我々からすれば、石田氏の回答は不十分と言わざるを得ない。具体的政策の実現を明言した森澤氏と対照的だ。」と指摘しました。その上で上原氏は「石田氏とはベースの考え方が違うのだと思う。さらなる対話を通じて、私たちの考えに理解を示してもらえるよう努力する。」と述べました。
<参考>日本自治委員会の政策要求と石田氏の回答(比較対照)
要求1 米田教育次長の「セクハラ指導容認」答弁の撤回を。
石田氏の回答 校則は、学校の実態を踏まえ、児童・生徒や保護者・地域の声も聞きつつ適宜見直しを図り、全体の理解を深めていくことが大切だと考えております。
要求2 「生活のきまり」 「校則」等(以下「校則等」という。)について、児童生徒の人権を侵害する条項を直ちに 廃止し、校則等の内容をすべての区立小中学校および義務教育学校のホームページ上に公開すること。
石田氏の回答 上記と併せ、校則等に関する国の新たな指針が示されましたら対応して参ります。
要求3 児童生徒による自治組織の権限を拡充し、児童生徒による学校運営への参画権確保を。
石田氏の回答 児童・生徒会活動等での取り組みを通じ、学校内・学校間での意見交換を続けてまいります。
要求4 「子ども議会」「子ども区長」を設置し、子どもたちの要望を子どもたち自身で実現したり、区政に反映できるようにすること
石田氏の回答 他自治体での様々な事例も参考に、子どもの意見を反映できる取り組みを進めてまいります。
要求5 いじめ・「体罰」等に迅速に対処するため、区長部局に「監察課」を設置し、加害者・被害者や学校などに直接調査し、出席停止や懲戒処分の勧告権付与を。また、児童生徒・保護者が区長部局に直接通報できる仕組みを。
石田氏の回答 「品川区いじめ防止対策推進条例」に基づいた取り組みを進めてまいります。
要求6 重大な感染症の流行時に児童生徒が自宅でオンライン双方向型授業を受けられる体制整備を進め、感染拡大時は、直ちに双方向オンライン授業に切り替えること。
石田氏の回答 学校に登校しての教育活動を極力止めないことが一番大事だと考えておりますが、止むを得ない場合は、各児童・生徒に配布したタブレット端末を使ってのオンライン授業を行ってまいります。
要求7 感染への不安を訴える児童生徒や不登校の児童生徒が登校せずに自宅でオンライン授業を受けられる「登校選択制」実現を。
石田氏の回答 児童・生徒や家庭の状況に寄り添った、タブレット端末を使ったオンライン授業など様々な取り組みを図ってまいります。
要求8 区営の子ども食堂を区内にくまなく整備し、放課後の児童生徒の居場所機能・学習支援サービス・貧困家庭児童生徒に対する無償給食支援提供を。
石田氏の回答 子ども食堂の支援の充実をはじめ、子どもを取り巻く様々な環境に応じた居場所の整備を進めてまいります。
要求9 子どもたちの表現・創作活動の自由を保障し、教育職員が検閲や妨害を行わないようにすること。
石田氏の回答 表現・創作活動等を通じ、一人ひとりの子どもの感性・個性を育んでいけるよう努めてまいります。
要求10 給食費の段階的無償化を。
石田氏の回答 学校給食費の無償化を進めてまいります。
要求11 教育委員会教育長・教育委員の任命にあたっては、区議会で公聴会を開催し、任命を受ける者が過去に問題を起こしていないかどうか検証する機会を十分に確保すること。
石田氏の回答 品川区の教育にとって適任者を任命していけるよう対処してまいります。
要求12 子どもたちが自ら有する権利を把握し、行使できるように日本国憲法や子どもの権利条約について学ぶことができる機会を提供すること。
石田氏の回答 「子どもの権利条約」の内容など、子どもたち自身に認識を深めてもらうための学習や、すべての大人の理解が必要だと考えています。取り組みの充実を図ってまいります。
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