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長谷部健渋谷区長(2022年1月17日=ISJ提供)
前任校でいじめを隠ぺいしたとして批判されている五十嵐俊子渋谷区教育長をめぐり、長谷部区長が、五十嵐氏が町田五小校長時代に女児が自殺していた事実を議会に報告せず、五十嵐教育長を任命していたことが判明しました。

昨年11月26日の区議会一般質問で金子快之区議(れいわ渋谷)の質問に対し、長谷部区長が認めました。

金子区議は「区長は五十嵐氏の知られざる経歴、つまりいじめ問題への関与、あるいはその当事者であったことを御存じの上で議会に人事案を提案したのか」と質問。これに対し、長谷部区長は「議会に上程した時点で知っていた」と答えました。金子区議は「衝撃的な答弁」と述べたうえで「私ども議員は聞かされていなかったが、どうしてそんな大事なことを議会の同意を求めるときに説明しなかったのか。」と区長を批判しました。

さらにこの際の区長答弁をめぐって、長谷部区長は、既に印刷済みの「区議会だより」の自身の答弁を差し替えるよう議会に要求する暴挙に出ました。

議会側は議会運営委員会で対応を協議。しかし質問した「れいわ渋谷」会派は呼ばれず、自民・笑顔・公明・立民・共産の各会派のみで協議が行われました。協議の中で笑顔は区長の差し替え案に賛成。自民・公明は区長答弁中の「推定無罪」の文言を削除すべきだと主張しました。最終的に自民、公明、笑顔の3会派により「区議会だより」の区長答弁の一部を削除することが決まりました。これにより印刷済みの14万部をすべて刷りなおす事態になり、約150万円の経費が余計にかかってしまいました。

長谷部区長は、1月17日に緊急会見を開き、「区議会の議事録や全体の文脈を見れば推定無罪という言葉を否定しているため、誤解を招く恐れはない」と強調しました。しかし長谷部区長が議会に提案した修正文案では「議会に報告しなかった」という文言も何故か削除されていました。この点について弊社記者が「実際に発言していないものに差し替えるのは改ざんではないか」と問いましたが、区長から納得いく説明はありませんでした。

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